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No.6 ABC高校野球中継スポンサー変遷史

 1957年4月1日。当時の在阪民放局である大阪テレビが、第29回選抜高校野球大会のテレビ中継を民間放送として初めて実施。これに次いで8月12日からは第39回全国高校野球選手権大会の中継を行いました。大阪テレビが59年に朝日放送(ABC)と合併してからは、ABCが夏の甲子園の中継を引き継ぎ(センバツは毎日放送(MBS)に移行)、2007年でABCの高校野球中継が(大阪テレビ時代から通算して)50周年を迎えました。
 視聴者からの受信料で番組製作費を賄う(公式には)NHKと違い、民放は企業のスポンサーを取ってCMを流すのは今さら言うまでもありませんが、ABCの高校野球中継では他では見られないCMの入れ方をしています。これがテンションを遮られたり、同時に中継しているNHKにチャンネルを変えさせない効果を生み、現在に至るまでABCの中継の視聴率がNHKと拮抗している要因の一つとなっています。
 CM自体を目当てに見るマニアもいるABCの高校野球中継。ここでは、大阪テレビ時代から50年分のスポンサーの変遷を紹介していきます(ここでのテレビ中継は地上波を指します)。

年(回)スポンサー社名
背景色:(ピンク)CMなし (黄)ワイプCM (黄緑)小画面CM
1957年(第39回)

1960年(第42回)
各 社
1961年(第43回) 湯浅電池
1962年(第44回)
1963年(第45回)



1994年(第76回)
住友グループ
1995年(第77回) NTT DoCoMo関西
(決勝戦:
NTT DoCoMoグループ)
松下電器グループ サンスター
1996年(第78回) 松下電器 エス・バイ・エル
1997年(第79回)
1998年(第80回)
1999年(第81回) P&G
2000年(第82回) タマノイ酢
2001年(第83回) 淀川製鋼
2002年(第84回) P&G
2003年(第85回) わかさ生活
2004年(第86回)
2005年(第87回) タマホーム
(準決勝まで)
大新社
2006年(第88回) 関西電力
(準決勝まで)
JAバンク大阪
(決勝戦:JAバンク)
2007年(第89回)
(一部日程のみ)
■各時代のスポンサー詳細

各社提供時代(1957〜60)
 中継開始から4年間は普通にCMを挿入していました。ただ、当時の朝日新聞(大阪版)の記事によると、高校生のアマチュアスポーツ中継を考慮して懸賞などのCMは避けていたようです。

湯浅電池時代(1961〜62)
 1961年から2年間スポンサーだった湯浅電池(現ジーエス・ユアサコーポレーション)はノーCMを打ち出し、自社のCMを全く挿入しませんでした。アメリカでワールドシリーズの中継を見た際にCMで興をそがれたことと、選手たちの純粋なプレーをそのまま伝えてほしいという当時の社長・湯浅佑一氏の意向でした。現在はもちろん、当時のテレビ業界でも異例のことです。
 61年は中継の始めと終わりに社名スーパーを表示するだけ。62年は試合間のインターバルに、画面下に横ロールでテロップを挿入しただけ。試合中のCM挿入は一切ありませんでした。視聴者に好評だったのは言うまでもなく、この湯浅電池の決断は以降のABCの高校野球中継に大きな影響を与えることになります。(湯浅電池の件はトリビアの蔦[94]でも詳しく紹介しています)

住友グループ時代(1963〜94)
 住友グループは32年間もの間、ABC中継のスポンサーを務めました。「夏の甲子園=住友グループ」というイメージが強い方も多いと思います。
 前年までの湯浅電池と違って中継の始めと終わり、試合間のインターバルには60秒(90秒)の長尺CMを挿入しましたが、イニング間では画面の下1/3を使った30秒のワイプCMを流しました。動物のユーモラスなアニメーション(実写着ぐるみの時代もあり)とともにグループ企業を紹介していくCMには独自のファンができるほどで、上記の長尺CMで流れた曲とともに、「夏の甲子園でしか見られない」風物詩の一つとなっていました。
 住友グループは全国高校ラグビー大会でもMBSテレビ中継のスポンサーを務め(1980〜2001年)、高校スポーツでは欠かせない存在でした。現在でも根強い復活希望の声が寄せられています。

4社提供時代(1995〜現在)
 住友グループ撤退後は、4社(95年のみ3社)提供体制になりました。住友グループ時代を引き継ぎ、イニング間ではワイプCMを挿入していますが、画面の一部を使って普通のCMを流す(小画面CM)企業もあります。
 4社提供時代で最も長くスポンターになっているのはNTT DoCoMo関西(1995〜現在)。一部の年を除いてワイプCMを挿入しています。また全国ネットとなる決勝戦では、年に1度だけ全国で関西仕様のドコモのCMが見られるのがCMマニアの間では有名になっています。また、松下電器(1995〜2000)はかつて「熱闘甲子園」を提供していた夏の甲子園ゆかりの企業。熱闘甲子園同様の甲子園オリジナルのワイプCMで、中継を盛り上げました。
 近年では2003年からスポンサーになっているわかさ生活が、往年の住友グループを彷彿とさせるアニメのワイプCMを放送。わかさ生活はBS朝日やABCラジオの中継も提供していて、夏の甲子園に力を入れている企業の一つになっています。